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財団法人名古屋都市産業振興公社設立趣意書
 
 今日、わが国の産業界を取り巻く環境は、経済の国際化、情報化の進展、消費者ニーズの多様化等により大きな転換期にあります。とりわけ、既存市場の成熟化や企業の海外進出に伴う産業の空洞化への対応は、これまでモノづくりの中心として多大な貢献を果たしてきた当地域にとって重要な課題となっております。

 平成6年10月に開催された世界都市産業会議の中で、「今、都市に求められているのは21世紀に向けて地域を発展させる産業の種苗を育成することである」と提言されています。こうした提言を踏まえ、現在進行しつつある構造的な変化に的確に対応していくためには、中小企業の研究開発や創業などといった新しい取り組みを、積極的に支援していく体制づくりが急務になっております。

 名古屋市では、平成7年7月に策定した第3次名古屋市推進計画において、21世紀に向け産業経済の潮流に的確に対応するため、都市産業振興の推進体制の強化を打ち出し、都市の特性を活用した新しい産業の育成を図ることにしております。

 今後、技術の先端化や複合化、情報技術の応用領域の拡大などが一層進展する中で、新しい産業の育成を始めとした産業振興の推進には、行政の取り組みだけでは限りがあり、大学や研究機関、経済団体、民間企業の人材やノウハウなどを結集していく必要があります。

 こうした状況を踏まえ、今般、産・学・行政の密接な連携のもとに、既存産業の高度化と新たな産業の創造・育成を総合的に支援するため、財団法人名古屋都市産業振興公社を設立することといたしました。

 この公社は、新しい産業分野に関した研究会など産業技術に関する研究開発の促進事業を始め、先端技術に関する講演会・セミナー等の人材育成事業、中小企業の新規事業に関する相談・情報提供事業、新製品等の発表展示のための施設の運営を行うほか、財団法人名古屋市見本市協会が実施してきた見本市・展示会事業を引継いでいく予定です。

 この公社の設立を通じ、きたるべき21世紀に向けて、名古屋の産業において大きな比重を占める中小企業を中心に、経済社会状況の変化に対応してその活力を高め、産業全体の調和ある発展につとめていきたいと考えております。

 
財団法人名古屋都市産業振興公社
  設立者  名古屋市
代表者  名古屋市長  西尾 武喜
 
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