一般的に物質の温度を上げると固体から液体・気体へと状態が変化しますが、気体の温度をさらに上げたり、電界をかけると「電離」が起こり、中性分子と正イオン、電子が混在した非常に活性化した状態になります。これが物質の第四状態「プラズマ」です。
たとえば自然界では太陽やオーロラ、稲妻など、身のまわりでは蛍光灯やろうそくの炎、そしておなじみのプラズマテレビなどが挙げられます。
プラズマには粒子すべての温度が高い高温プラズマ(熱いプラズマ)と、電子温度のみが高い低温プラズマ(冷たいプラズマ)があります。高温プラズマは「エネルギーを作るプラズマ」として核融合やアーク放電(溶接、切断、溶射)に使われ、低温プラズマは「産業応用プラズマ」として半導体づくりのための微細加工、薄膜の合成、表面改質、殺菌などに使われます。
高温・高密度プラズマの実現による核融合、熱エネルギーの利用などによる溶接、切断、溶射に応用されています。
ULSI(超大規模半導体集積回路)製造の70%以上で使われ、微細加工、薄膜合成、表面改質、殺菌・除菌・消毒、除害、光源などとして産業の各分野で活用されています。
産業連携推進課の扱うプラズマは、産業応用プラズマ(低温プラズマ)です。プラズマをこれまでにない幅広い産業の場面に活用することで、企業の技術革新を進めていくことが、産業連携推進課の役割です。
イオンやラジカル、電子という極めて小さな粒子が働くため、ナノメートル(10億分の1メートル)単位の穴や溝を掘ったり、膜を付けるのに適しています。ちなみに半導体集積回路のプラズマ加工では、数10ナノメートルの溝を掘ります。
常温・常圧では進みにくい反応をすばやく進める効果があります。
(例:ダイヤモンドの合成)
微細加工・薄膜合成・表面改質・殺菌・除菌・消毒・除害・光源など、さまざまな場面で活用できます。
材料などの表面にプラズマ技術を使って新しい皮膜を堆積させます。
例)太陽電池のシリコン膜、耐摩耗性に優れたダイヤモンドライク・カーボン、撥水性に優れたテフロンなど
材料などの表面を削り取ることでULSI(超大規模半導体集積回路)の配線溝など、ナノメートル(10億分の1メートル)単位の極めて微細な加工を施すことができます。
材料などの表面を酸化させることで絶縁膜を作ったり、窒化することで表面を硬くします。
...など、プラズマ技術は多分野の「ものづくり」に応用が可能です。