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第1部 |
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第2部 |
名古屋の経済と産業の特徴
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第1章
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第2章
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第3章
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第3部 |
名古屋市の産業
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第1章 |
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第2章 |
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第3章 |
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第4章 |
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第5章 |
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第6章 |
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第7章 |
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世界的なモノづくりの中枢圏域といわれる名古屋の産業発展史を俯瞰すると、いくつかの特徴的な産業技術が相互に絡み合う系譜が浮かび上がってきます。それは、「木」の産業技術、「糸」の産業技術、「土」の産業技術、「鉄(機械)」の産業技術の4つです。
- 「木」の産業技術は、豊富で良質な木材とそれに携わる高度な技術を持った職人たち、そして江戸時代から城下町で培われた経営資源などを活かし、時計・鉄道車両・航空機などの近代産業に発展し、今日に至っています。
- 尾張・知多・三河は、江戸時代から綿織物の一大産地であり、その後、綿・毛・合繊の三拍子そろった「繊維王国」と呼ばれました。名古屋では、こうした「糸」の産業技術が発展し、現在のトヨタグループを生み出した豊田佐吉が日本初の自動織機を完成させました。この技術を産業革命発祥の地・イギリスに輸出して得た資金をもとに、豊田喜一郎によって自動車の研究開発が開始されました。また、昭和初期、当時の名古屋市長だった豊田(猿投)出身の大岩勇夫によって「名古屋(中京)デトロイト構想」が提唱され、先行産業を組み込み自動車産業の創出が試みられました。
- 名古屋市の周辺には、古くから窯業が盛んな地域が多数あり、今日に至っています。名古屋では、このような歴史をもとに発展した伝統的な「土」の産業技術が、近代的な陶磁器産業へと発展しました。今日では、さらに、ファインセラミックス産業や環境をはじめとする幅広い産業分野へと発展しています。
- 名古屋では、“電力王”福沢桃介が木曽水系の電源開発に着手したことがきっかけとなり、電気炉による鉄鋼業が育ちました。また、手作りで高度な精密機械である和時計を作る技術は、精巧な「からくり技術」に伝播し、明治時代、鉄を素材とする機械産業に生かされました。その後、名古屋の機械産業は、木や糸や土の産業と相乗効果を発揮する形で発展し、名古屋地域は工作機械や産業用ロボットのメッカとなっています。
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